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ぺっとの根っこ

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結構かわいい“手乗りカマキリ”

2014年07月10日 14:24 by eiichi_tanoue
はじめまして!
今回から昆虫分野を担当させて頂きますeiichi_tanoueです♪
過去には、一般的に飼育対象とされるカブトムシやクワガタ以外に、水生昆虫(タガメ、ゲンゴロウ等)やオトシブミなどといった普通は飼育されることのない昆虫についても扱ってきているので、他ではあまり聞かないような飼育経験を紹介していきたいと思っています。

今回は身近に見かけるものの、なかなか飼育にまでは踏み込むことのできない昆虫
『カマキリ』をとりあげてみます。

さて、日本全国でカマキリは何種類くらいいるでしょうか?
実は約7種類が日本で観察できるんです!
他の昆虫と比べて種類が少ないのは、そもそもカマキリは熱帯地方に多く生息しているからで、世界的にみればその数は1900種にも及びます。

子どもの頃、河川敷の草むらなどで必死にカマキリを探した思い出がある人もいるでしょうが、これがなかなか難しい。
よくカマキリは草に「擬態」していると言われる通り、草むらにいるとその色と細い体が見事に背景に溶け込んで、容易には見つけられません。
草がちょっと傷んだような茶色の部分や、虫に食われた草の痕のような模様がある個体もいて、さらには風にそよぐ葉や草の動きを真似てゆらゆらと動いたり静止を繰り返すのだから当然です。
場合によっては数時間動かない時だってあります。(一度、汗だくになりながら観察したことがあります 笑)
足の位置すらあまり変えず、ただ頭だけはきょろきょろ動かして獲物を狙い続けます。
頭と接する前胸に感覚毛が生えていて、頭の角度がこれで知覚されると、その方向に向かってカマをすかさず伸ばして捕らえているというのが少し前の研究で明らかになっていました。
ライオン等の肉食動物と同じく、両方の眼が前を向いているから獲物との距離も計れるし、カマが伸びる射程距離のところでピントが合うようになっているらしいので驚きです。

そんなカマキリがいる「穴場」というのは慣れてくると分かるのですが、説明するなら、ススキやヤブカラシなどの植物が多く生えていること、それらが子どもの背丈くらいまで伸びていること、そしてそれらが密集して生い茂っていること。
つまりは、エサとなるチョウやバッタが集まりやすく、カマキリ自身も気づかれないような植物の密生地です。

昆虫を飼育する際にはどの種類についても言えることなのですが、その個体の飼育環境の特徴をいかに再現できるかが飼育成功のカギとなります。
今回のカマキリの場合は「穴場」の特徴からも明らかな通り、ある程度の量のススキ等の植物を用意する必要があります。
これは、カマキリのエサとなるバッタにも必要なものなので、新鮮さを保たなければなりません。
そして、その草は敷き詰める形ではなく、ちゃんと立たせて置かないといけないというのも注意点です。
故に、容器は横に広いものではなく、高さがあるものにして、草は水の入ったコップ等に入れていくつか置いておきます。(新鮮な草と定期的に交換して、水を使わないという方法でも大丈夫です♪)
高さが無くて草が敷かれているような状況だと、カマキリ自身が上手く隠れられずに落ち着かないのか、補食行動が減ることもあります。
エサについてはバッタやハエが手っ取り早いと思いますが、ペットショップで売られているエサ用虫のミールワームをピンセットで与えてやってもいいでしょう。
水も飲むので、定期的に霧吹きで草に水滴をつけておくことをオススメします。

簡単に飼育環境について説明しましたが、これが幼虫となると飼育は一気に難しくなります。
というのも、カマキリの幼虫はかなり小さいのです。
知っている方もいると思いますが、カマキリは不完全変態で幼虫の時から成虫と同じ形をしています。
初齢幼虫だと約1cmしかなく、カマの大きさはさらに小さい。
そのような幼虫が食べるエサはアブラムシやショウジョウバエ、小さなバッタ等になるのですが、飼育下でもなかなか補食成功率が低く、十分な栄養を取ることができない場合があります。
そのため普通は幼虫から育てるといっても、3齢幼虫くらいになったものから飼育を開始するのがオススメです。

ちなみに、裏技としてはミルクを与える方法があります。
慣れたカマキリであれば、筆や脱脂綿にミルクを含ませて口元へ持っていくと飲みます。
知っている人はほとんどいませんが、実は幼虫から成虫まで一貫してミルクで飼育することも可能です。

このようなことが可能であるのも、カマキリは意外と人によく慣れるという特徴があるからです。
手に乗せてエサを与えられる「手乗りカマキリ」にできるほどで、他の昆虫よりも親近感を抱けるでしょう。
そういう点では、昆虫界で最もペットに適しているのは案外カマキリなのかもしれませんね。

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