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2016年10月号

猫かぶりは立派なスキル!

2016年10月10日 16:31 by keiko_kamide
2016年10月10日 16:31 by keiko_kamide

9月に入り、すっかり秋めいてきましたね。

愛犬とお出かけする機会や外でのトレーニングもしやすくなり、いろんな人や犬たちと会う事も多くなります。

今回は、そんな外での愛犬の行動の一つを書いてみたいと思います。

 

初めての場所や人に会うと、愛犬が家の中より大人しかったりお行儀が良くなったと感じる飼い主さんが多いと思います。

私もお客さんのお宅に行きトレーニングをするのですが、飼い主さんから「先生が来ると途端にいい子になるんです」と言われます(笑)

 

こういう行動を俗に「猫をかぶる」と言うのですが、実はこれ、社会化の内の立派なスキルなんです。

人間ではあまり良い意味では捉えられないのですが、これは自己防衛の本能から来る重要な行動です。

特に家の中でやんちゃな子は、外でも同じように他の犬に接してしまうと、即座に嫌われたりイジメに遭うことも・・・。

では、猫かぶりのスキルがどれだけの効果を発揮しているのかを考えていきましょう!

 

【1.自分の存在感を薄める】

初対面の犬や人が苦手な犬にとって、相手が自分に興味を持ち近づいてくるのはかなりのストレスになります。

そんな時にスキル発揮!!「大人しい」という猫をかぶり、自分の行動範囲や行動レベルを狭め、相手からの注目を浴びないようにします。

前にも書きましたが、犬は信用していない生き物から見つめられる事が好きではありません。

なので、スキルを発揮し、なるべく自分の存在を薄くする事で注目される事を回避するのです。

 

【2.相手へ安心感を与える】

こちらも「大人しい」のスキルを発揮!!相手の犬に、「自分は大人しいよ。危害は与えないよ。」という印象を与え、自分への安心感を強くし不信感を和らげます。

社会化の出来ている犬はこちらの意味での「大人しいスキル」を発揮し、どんどん犬友達を増やしていきます。

 

この2つは同じ「大人しいスキル」ですが、スキルを発揮する犬の犬語(仕草やシグナル)が全然違います。

大まかに言うなら、1はちょっと怯えている風に見え、2は堂々としているが落ち着いている。といった違い。

 

【3.ルールは守ります!!】

自分よりリーダー気質な犬や、私のようなトレーナー、また犬語を理解している飼い主さんなどに対し、「自分はあなたのルールに賛成です!」というように飼い主さんや同居犬よりも他人や他犬に寄り添っていってしまう行動。

これは猫をかぶる・・・というよりは素に近いのですが(笑)、自分がより安心して快適に過ごせる方に身を任せてしまう行動です。

飼い主さんから見れば、この行動も猫をかぶって愛犬が他人に愛想を振りまいているように見えてしまいます。

この行動が見られる場合は、家庭内でのしつけの見直しと飼い主さんとの関係を再構築すると無くなります。

 

【4.媚を売る】

他犬や他人に匍匐前進のような姿勢からお腹を半分見せ、口を舐めてくる行動(仔犬によく見られる)。母犬や信頼している人に見せる場合には甘えているのですが、これを見ず知らず他人や他犬にすぐさま見せるのは、「敵意が無いです。だから許して!怒らないで!」の意味。

この行動を起こす犬は今までこれ1本で状況を掻い潜ってきたのでしょうね。

もっと自分も主張しつつ仲良くなることもできるのですが、その方法を知らない子に多く見られます。

 

(画像がこれしか見つからなくて汗 画像のように飼い主さんにお腹見せや、リラックスしているなら大丈夫。初対面にしっぽブンブン(股にしっぽが入り気味)で舌をペロペロさせながら興奮した様子での画像のような態勢になるのは、ちょっと考えますね・・・)

このようにどれをとっても結果、「自分の身の安全を確保する」という思いに繋がるわけで、そう考えると「猫をかぶる」というスキルが立派な事に思えてきませんか?

ただし、状況の結果としては必ずしも成功するわけではないので、1や4の行動をとる場合には相手の出方や、飼い主さんとのコミュニケーション・愛犬の社会化&犬語習得を見直す必要があります。

トレーナー目線からすると3もちょっと困っちゃうんですよね(笑)だって問題行動の改善に行ってるのに、問題行動が出なくなっちゃう時もありますから。

ま、そういうときはカウンセリングを綿密にして対策を練るんですが。

 

猫をかぶる。人同士ではあまり良い印象ではありませんが、犬目線で見ると、それも良いかもね♪って思えますよね。

 

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