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人工蛹室で危機回避!いざという時の助け舟!

2016年09月14日 23:03 by eiichi_tanoue
2016年09月14日 23:03 by eiichi_tanoue
 暑さでとろけそうな熊本です。

 とはいえ、いつの間にか9月になり、朝夕は涼しく感じる日もあり、昆虫の旬も少しずつ移り行く季節になりました。

 そんなわけで、今月は前回に続いてクワガタ・カブトムシの飼育についてですが、少しマニアックな人工蛹室についてのお話です。

 とは言え、そもそも人工蛹室を作ることにならないようにするのが最善策です(笑)

 最も多いのは、土を入れ替えようとしたら、実は幼虫が蛹になっていて、蛹室を壊してしまった時のリカバリーです。

 なかには、蛹の様子をより詳細に観察したいがために用意する人もいるようですが、オススメはしません。

 なぜなら、「自然」な状態でないからです。

 しかし、いざという時のために知っておくだけで、これほど役に立つ情報はないはずです。

 さて、さっそく作り方についてですが、基本は園芸用のスポンジ(オアシスという名称で売ってあったりします)をスプーンなどで蛹室の形にくり抜くだけです。

 いくつかの資料で、人工蛹室を作るのに、ティッシュを重ねて霧吹きをかけて形を整えるというものがありましたが、それは絶対にやめましょう。
 水分管理が難しいうえに、蛹室の形が安定しない、もしくは滑らかでないために蛹から羽化する際に失敗するリスクが非常に高くなります。

 一方、園芸用スポンジを使った場合、適度な水分を保持するうえに、蛹室の成形が容易かつきれいなものになります。
 また、蛹の頭部方向がやや高くなるように作るのがベストと言われていますが、そういった加工もしやすいです。

 以上をふまえて、実際に作ったものが下の写真のようなものです。
 一回り大きいプラスチックケースなどにいれておくとよいでしょう。

 この人工蛹室は、幼虫が蛹になったものの、マットの状態が良くなく、蛹室が壊れる可能性がある時などにも使えます。
 
 最後に、注意点ですが、蛹を人工蛹室に移動させるのは、幼虫が前蛹という状態(頭と足がかたまって、蛹になる直前の状態)以降に行う方がいいでしょう。
 理由は、前蛹直前の状態だとまだ幼虫が動けるので、用意した人工蛹室がボロボロにされることがあるからです。
 見た目だけでなく、蛹室の環境、特に水分に影響が出てくるので避けるようにしましょう。

 さて、今回は少しマニアックな飼育技術の紹介でしたが、普通に飼育していればあまり気にすることはないのでご安心下さい(笑)

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