前回は「嫌悪刺激」の有名犬具を紹介しましたね。
今回はその他の「嫌悪刺激犬具」を紹介します。
これから挙げる犬具は、しつけや訓練の際に強制的に 直す時に使われるものです。
ショップやネットでは人間都合によく表示や説明されているので、お気を付けくださいね 。
それではいきますね~
1、ショックカラー(電気ショック、バイブ)
吠え癖等を止めさせるための首輪で、声帯の震えを感知して作動するものや、リモコンで遠隔操作できるものがあります。
微量の電流が流れる物があり、人間の約10分の1の厚さしかない犬の皮膚にはかなりの負担があります。
皮膚の弱い仔の場合には、爛れてしまうこともあります。
バイブの場合でも犬をビックリさせる事には違いはなく、精神的負担が大きいです。
また、タイミングや設置場所なども難しく、上手く使いこなせない場合が多々。
シーザー・ミランがよくバイブ式の物を使っているのを見ますが、あまりお勧めはできません。
2、引っ張り防止ハーネス(胴輪)
胴輪自体は犬には優しい。と前に言いましたが、この「引っ張り防止」が付くと途端に嫌悪刺激の道具に早変わりします。
これは、前胴体、ちょうど胸骨と肩骨のつなぎ目ら辺に金属製のリングが付いており、そこにリードを着けて無理やり犬の方向転換をさせる道具です。
最悪なのが、その時に骨の部分などにリングが当たったり擦れたりして犬が痛い思いや不快な思いをすること。
同じ胴輪なのに、ちょっとの差でこれだけ犬への負担に違いがでるのです。
3、スプレー
噛みつき防止や食糞防止、無駄吠え防止などのスプレーです。犬にとって嫌な臭いの成分が入っており、鼻先めがけてスプレーするものや、家具などにスプレーするものです。
これも犬に嫌な臭いを吹きかけるなどをして、ビックリさせたり匂いの嫌悪による強制的なしつけになります。
あなたが、いきなり「近づくな!!」と顔にクッサイ匂いのものを吹きかけられたらどう思います?
部屋中が嫌いな匂いでいっぱいになってたらどう思います?
それに、例え舐めても大丈夫なものでも、目に入っても大丈夫かと言えばそうではありません。顔に向かって刺激物の入っている液体をかければ、必然的に目にも入ります。
4、口輪
ここ数年のアヒル型のせいで、着ける必要のない仔にまで着ける人がいます。
犬にとってマズルを抑えられることは、人間でいう手を縛られたり口を塞がれるのと同じことです。
どうしても治療や施術のために安全を考え必要な時もありますが、長時間の装着や、着けなくてもよい仔に着けるのは賛同しかねます。
最後に・・・
とにかく「〇〇防止」や「問題行動を止めさせる」などのうたい文句がある道具は全て人間指向の物で、どんなに可愛らしい優しそうなネーミングをつけてあったとしても、それは嫌悪刺激犬具には違いありません。
犬の問題行動には必ず原因があり、その原因を解決する事なく、犬の都合を無視したしつけや訓練は「強制」であるということ。
自分の愛犬が昔ながらの「上下関係説」や「主従関係説」(これはまた後にお話ししますね)などの都市伝説にしばられるのはまっぴらごめんです。
犬は犬らしく(あくまでも家犬として)いて欲しい。
そのためには、まずは人間優先指向な訓練やしつけを止め、犬を犬として尊重し、お互いが歩み寄れるような関係を築いて欲しいのです。
このようなお互いが尊重し歩み寄る関係には、前回と今回に紹介したような「強制的に人間のいう事を聞かせるための道具」は必要ありませんよ。
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