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2015年6月号

くも合戦 川端勝夫さんにインタビューしてみた

2015年06月09日 16:27 by masataka_mano
2015年06月09日 16:27 by masataka_mano

鹿児島県姶良市加治木町で古くは400年以上の歴史を誇る伝統的な行事。加治木くも合戦。このくも合戦にたくさんの地元の方が毎年参加されますが、熊本県天草市で10年以上に渡って参加されている川端さんという方がいたのでインタビューしてきました。

くも合戦参加者 川端勝夫さん

 ---クモという生き物は、正直言ってみんなから好かれるような人気のある生き物ではないように思いますがなぜ、そんなクモにのめり込みだしたのでしょうか

元々小学生の頃遊びの中でクモ合戦をしていました。子供の頃はコガネクモのことをヤマコブと言ってました。結構、私たちの子供時代はクモ合戦で遊んでる人は多かったんですよ。


---なるほど、小さな頃からクモに親しみがあったんですね。そんななか加治木クモ合戦を知ったきっかけは何だったのでしょうか

中学生の時、今から大体44年前くらいでしょうかね、テレビでクモ合戦が取り上げられていたんです。それを見て是非参加してみたい!参加するからには頂点を取りたい!と思い出したんですね。

 

 ---最初の戦績はどうだったんでしょうか

最初は3匹だけ持って行ったんですが、他の参加者の別格の強さのクモに負けてしまって、、、その人が優勝しましたね。

 

---初戦で優勝は叶わなかったわけですね。

相手の方が何枚も上手でした。

 

---そんなクモたちなんですが、日頃はどんな生活をしているのでしょうか

ここにいるクモたちは常に飼育しているわけではなく、くも合戦の行われる1ヶ月を境に自然のくもを捕獲してトレーニングをするんです。餌もカナブンやバッタを週に2回ほど与えるんですが、これだけクモがいるので餌を探すのにも一苦労です。

軒先に吊るされている大量の網一個一個にコガネグモが暮らしている。(4~50匹保有)

 ---確かにこんなにたくさんいるんじゃ週に2回程度だとしてもたくさんの餌が必要になりますね。

他にも水をあげたり栄養剤を使うこともあります。でも、餌を与えすぎると卵を持ってしまい卵に栄養が取られてしまいます。

腹部が大きく膨らんだクモ。このなかに卵が収まっている。

 ---メスのクモはそういうこともあるんですね。オスはどうなんですか

試合で使うのはメスのクモだけなんです。オスのクモはメスの何十分の一という大きさなんで普段みなさんが見ているクモはメスグモなんですよ

この小さなクモがコガネグモのオス

 ---ほんとですね!小さい!これじゃ相撲はできそうにないですね。では、普段の飼育で気をつけているところはなんでしょうか。

やっぱり餌ですね。特にバッタはクモの足を噛むことがあるので足を切った状態で与えることもあります。あとはヒヨドリなどの野鳥です。彼らはクモにとって天敵ですから。なんにしても日頃のチェックを欠かさないようにしています。

 

---このクモたちは自然から捕獲してくるそうですが見つけたのを全て捕獲するわけではないですよね。何を基準に選定しているのでしょうか。

基本的に大きなクモが力なども強い傾向にあり好まれますが、実は小さいクモで強い奴もいるんです。実際のところ見た目では判断できない。クモによって戦闘技術が違うんです。実際に小さなクモで決勝を2回経験したクモもいます。なので、私は実際に捕獲したクモに模擬戦をさせて強いものを捕獲するようにしてます。

 

---大きいだけが全てではないんですね。だいぶ奥深さが伝わってきました。ちなみに川端さんのこれまでの最高戦績はどの辺まで行きましたか。

くも合戦には優良ぐもの部・合戦の部・王将戦の部という3の部門があって優良ぐもの部はいわゆるコンテストです。合戦の部はその名の通りクモ同士が戦う合戦。王将戦の部は合戦の部で3勝したクモのみが参加できる部門でトーナメント式で進みます。私は過去に王将戦準決勝まで行った経験があります。残念ながら4位でしたけど。優良ぐもの部では2年前に優勝しました。

優良ぐもの部で優勝した時の新聞記事

 ---是非今年は全ての部門でトップを目指してもらいたいです!くも合戦に参加しているみなさまにとって大切なことはなんでしょう。

必ず自然に返してあげることが大切です。彼らは元々自然の生き物クモの保全のためにもくも合戦が終わったら必ず元いた自然に返すようにしています。

 

---元々は自然の生き物と一緒に戦っているという気持ちを忘れてはならないんですね。何か大変なことはありますか?

クモの捕獲中によくマムシやイノシシと遭遇します。あれは危ないです。

 

---たしかに危なそうですね。川端さんがクモと関わってよかったことはなんですか。

まずは、クモを通じていろんな方と交流を持てたところですかね。鹿児島県の方はもちろん。私のように他県から参加される方もいますので友達がたくさんできました。そして、400年以上続く歴史に自分の名前を刻めたこともよかったことの一つです。今後は全部の優勝に名前を刻みたいです。

 

---川端さんにとってクモとは。

他の方もよく言うかもしれませんがくも合戦が終わるまでは家族です。

 

---くも合戦本番まではもうすぐですが頑張って下さい!ありがとうございました。

クモと聞くといいイメージを持たない方も多いかもしれないがまじまじと見てみると勇ましくて優雅な生き物であることを実感しました。鹿児島県で行われる加治木くも合戦は毎年6月第3土曜日。今年は6月21日加治木福祉センターで開催される。興味のある方は是非観戦されてみてはいかがでしょうか。

 

来月号は加治木くも合戦本番を取材してまります。お楽しみに!

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