年が明けてもう1ヶ月が過ぎたと思うと早いですね。まだまだ昆虫界はオフシーズンですが、このまま気づけば暖かくなっているのでしょう。
さて、そんな今日この頃ですが、この時期、多くの昆虫は幼虫期にあるかと思います。そこで、今回はオオクワガタを一躍有名にした立役者でもある菌糸ビンについて概観していこうと思います。
そもそも菌糸ビンとは何かというと、クヌギ等の木を粉砕した「オガコ」に加水して、加熱処理後に菌糸を付加したものです。クワガタの幼虫に必要な栄養価が高く、容易に大きなクワガタを育てることができると言うことで、当時爆発的な人気が出ました。
市販されている菌糸ビンはいくつか種類があるのですが、クワガタごとの使い分け等はかなり細かい話になるので今回は割愛します。また、菌糸ビンを作る前の菌糸ブロックからオリジナルの菌糸ビンを作る方法もありますが、こちらもややマニアックですので、今回はより中心的な内容を扱いたいと思います。
まず、菌糸ビンの扱い方についてですが、菌糸ビンは生のキノコと同様にデリケートなので丁寧な扱いが必要になってきます。
大切なことのひとつ目が、買ってすぐの菌糸ビンにすぐ幼虫を入れてはいけないということです。案外知らない人も多いのですが、買ったばかりの菌糸ビンは炭酸ガスが充満した状態になってします。そこで「エージング」という過程をふまなければいけません。といってもシンプルなことで、菌糸ビンを逆さにして2、3日待てばいいだけです。炭酸ガスは空気よりも重いので、こうすることで自然とふたの隙間から抜けていきます。
それと大切なことのもうひとつは、気温を25度以上に上げないことです。25度以上になってしまうと、炭酸ガスを放出すると同時に腐りはじめます。表面が黒色変化してドロドロに溶けていくので注意しておく必要があります。
しかし、この2点にさえ注意すれば、簡単に幼虫を飼育できます。あとは、3ヶ月経過するか、食痕と呼ばれる幼虫が菌糸を食べた痕が全体の70%くらいになったら交換するだけです。ときどきフタ付近でキノコが発生することがあるので、空気を確保するために、そのような場合には適宜取り除きましょう。また、周りを暗くしておくと、幼虫がビンの表面に顔を出しやすくなるので、成長の度合いが一目で分かります。
菌糸ビンを使えば本当に簡単な飼育が可能となります。しかも大きなサイズの成虫になりやすいので、是非とも挑戦してみてください!
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