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ぺっとの根っこ

2015年01月号

馬の起源

2015年01月13日 17:42 by takahiro-miura
2015年01月13日 17:42 by takahiro-miura

 あけましておめでとうございます
今年からぺっとの根っこに記事を掲載します
WEST ROAD RANCHという観光乗馬をやってる三浦です。
記事を書きながら自分も更に馬の勉強していきますよ~!

 さてそれでは本題に入りましょう。
今回は馬の起源について皆さんと勉強していきたいと思います!

 

ヒラコテリウムか、エオヒップスか

 もっとも古い馬の祖先の化石は160年前に英国で発見された。


1838年のある日、英国サフォーク州に住む煉瓦職人ウィリアム・コルチェスターという男が、いつものように川辺で煉瓦の材料とするための粘土を掘っていた。その日は勢い余って粘土層の下の砂まで掘り返してしまった。煉瓦作りには用のない、シャベル一杯の砂を脇に投げ捨てようとしたときに、ふと彼は手を止めた。砂の中にきわめて古い時代のものと思える小さな動物の歯を発見したのだった。

 

 翌1839年、今度はウィリアム・リチャードスンという博物学者が、同じ英国の海岸で古代の動物の頭蓋骨の断片を見つけた。その頭蓋骨には、前年もう一人のウィリアムが発見した小さな動物の歯と酷似した歯がついていた。これらの化石は、相次いで当時の博物学の権威リチャード・オーウェンのもとに持ち込まれた。歯や頭蓋骨は、現在の馬のものとは似ても似つかないものだった。彼は、持ち込まれた化石が、アフリカからアラビア半島にかけて生息している小型の哺乳動物ハイラックス(イワダヌキ)に似ていることから、ヒラコテリウムと命名した。

  一方、ダーウィンによる「種の起源」の公刊(1859年)以降、彼の唱える進化論の証拠を探すために、世界各地で化石の探索がさかんとなった。

北アメリカ大陸もその例外ではなかった。そこでは、おびただしい数の化石馬が発掘された。北アメリカはウマ族の進化の舞台であり、かつて馬たちが栄華をきわめていたのである。発掘された化石馬を時代順にならべると、ウマ族の進化。すなわち指の数が減り体が大型化していく過程がとてもよくわかる。

ダーウィンの進化論は馬という強力な応援団を味方につけたのである。

 

 北アメリカの化石馬群はギリシャ語で馬を意味するヒッポスにちなんでオロヒップス、メソヒップスなどと次々に命名されていった。そして始新世(エオシーン)の地層から発見されたもっとも古い祖先は、エオヒップスと名づけられた。

 ところが困ったことが起こった。エオヒップスは、実はかつて英国で発見されたヒラコテリウムと同じ動物だったのである。早い者勝ちという動物命名法の規則により、馬の祖先アケボノウマは、イワダヌキの仲間を意味する「ヒラコテリウム」を正式な学名とせざるを得ないのである。

 

 さて、ヒラコテリウムは多くの動物進化学の教科書に掲載されている想像図からお馴染みの通り、一般にキツネくらいの大きさであったといわれている。当時かなりの頭数が棲息していたらしく、その成長したもので、肩の部分の高さが25cmくらいから45cmくらいのものまであって、少なくともその種類は8以上を数えたと推定する研究者もある。しかし、四肢の指趾の数は一様に、前肢に5指あるけれども第1指はすでに退化してごく小さくなり着地せず、また後肢は第1趾が完全に消失し第5趾も萎縮してしまっている。これがヒラコテリウムが4指3趾馬と別称される所以であるが進化の程度が進むにしたがい、外側の指趾から順次萎縮して消滅し、ついに現在の馬のような第3指趾だけの、すなわち単指趾に至る過程は、体の大型化が進んでいった現象と並んで強い興味を呼ぶところであろう。

 しかし研究者からみれば、指趾の数の変化に優るとも劣らないくらい重要な要素となるのが、歯の数とその形状の変化である。歯は動物の組織中もっとも固い部分であり、比較的原状を保ったままの状態で発掘されることが少なくない。それによって、その動物が棲息していた時期の環境がある程度想像できるからである。ヒラコテリウムの歯が、現代の馬の歯と比較してとくに著しい違いを示すのは、草食動物としては非常に未発達の状態にあったことである。

 こうしたことから、ヒラコテリウムが、湿地の多い森の中を歩きまわりながら草木の葉や若芽を常食として暮らしていたものと推定されている。

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