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鳴く虫の歌

2014年09月09日 22:10 by eiichi_tanoue
2014年09月09日 22:10 by eiichi_tanoue
 9月になり、次第に夜が涼しくなってきているように感じられます。それに伴って虫の世界の楽しみの一つがやってきました。

 秋の夜長の虫の声…と言えば、昔から日本のちょっとした風物詩です。前回扱ったセミとはまた違い、郷愁を誘う音色ですよね。というわけで今回からは数回に分けて、鳴く虫に焦点を当てていこうと思います!

 「虫の声」というと、やはり小学校で習った歌が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか?明治43年の「尋常小学校読本唱歌」から引用すると、
一、あれ松虫が鳴いている。ちんちろ、ちんちろ、ちんちろりん。あれ鈴虫も鳴き出した。りんりんりんりん、りいんりん。秋の夜長を鳴き通す、ああおもしろい虫の声。
二、きりきりきりきり きりぎりす。がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわ虫。ちょんちょんちょんちょん すいっちょん。秋の夜長を鳴き通す、ああおもしろい虫の声。
 なかなかに楽しい曲ですよね。マツムシ、スズムシはコオロギ科、キリギリス、クツワムシ、ウマオイ(すいっちょん)はキリギリス科と、一応、一番と二番で仲間分けしているのも見事です。

 ところで、たいていの方が御存知の通り、鳴くというのは正確な表現ではありません。これは翅を擦り合せて出す発音だからです。しかし、そのいずれも情緒たっぷりのリズムを持っていて、このリズムに関心を持った人は多いでしょう。何のためにあのような音を出すのか。暗い夜の世界で仲間に所在を知らせるコミュニケーションの方法だということは容易に想像がつきます。ドイツのある学者はこれを徹底的に解析しました。
 このドイツの先生はコオロギを使って3種類の"歌”があることを発見します。音声分析装置(フォノグラフ)にかけてみるとコロコロコロコロとのんびりとしたリズムが繰り返されるとき、リッリッリッと鋭いリズムが連続するとき、さらにコロコロリーと双方が混ざる3つがあると見いだしています。そんな装置が無くても聴いていれば分かるので皆さんも是非試してみてください(笑)
 専門的には、第一のゆっくりしたリズムはオスが一匹でいる時にメスを呼ぶコーリング・ソング、第二の鋭いリズムは近づいたオスを牽制するライバル・ソング、第三の混合型はメスに対して行うムード・ミュージック、もしくはラブ・ソング、セレナーゼと言います。
 余談ではありますが、鳴き方を細分化している人によると、さえずり・誘惑(求愛)・交尾・競争・警告・闘争・勝利・満足の八つが聴き分けられると言います。さすがにこの境地までは至っていませんが、今年は挑戦してみたいという気もしています(笑)

 さて、ここまで話をしてきて、虫の声が聴きたくてたまらなくなってきた方もいるのではないでしょうか?この文章を書いている自分がそのような気持ちになってきたということもあるので、次回は実際に山で虫の声を聴いてきた報告を載せられたらと思います。また、飼育方法についても次回以降詳しく挙げていこうかと考えています。
 最近は近所を歩いてもコオロギくらいしか見つけることができない環境になってきているので、次回はいろいろな鳴く虫も紹介していくのでお楽しみに!

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