猛禽類を飼うには膨大な敷地・設備が必要??
そんなことはありません。
まぁ、広い土地があれば言う事はないんですが・・・
「うち、そんなにスペース取れないけどどうしたらいいの!?」
そんな飼育環境についてお困りのみなさまに今日は屋内飼育と屋外飼育についてお話しします。
飼育環境も屋内飼育・屋外飼育と選択肢は様々です。
それではまずは屋内飼育についてのお話を。
むか〜しむかし・・・鷹匠と言えば山奥の日本家屋で鷹用の小屋があり
凛々しい和服姿の鷹匠が数羽の鷹を管理しているいました・・・そんなイメージがあるかもしれません。
しかし、現代はマンションで一緒に生活し訓練されてる方も居られます。
比較的広くない室内でも飼育可能な猛禽類。
常に猛禽類が目に入り愛鳥と目が合うと嬉しくなるものですね。
スキンシップもとりやすくこっちの方がいいのでは?と思いがちですが
しかし、もちろんデメリットもあります。
1.夏場になると鳥屋(トヤ)といい、換羽期が訪れます。
この時期は大小様々な羽という羽が抜け新たな羽が生えてくる鳥類にとって大切な時期。部屋中羽だらけになるので掃除が結構大変です・・2抜け落ちた羽は回収しましょう!
アクセサリーにしたり大きな羽は羽ペンにしたり飾ってもいいかも。
技術のある方はシーズン中に羽が折れたりしたら羽を継ぐ「継羽」も可能です。
2.糞の問題
猛禽も生き物ですのでモチロン食べたら出します。
しかも、肉食のため結構臭いがあります
特に放置しておいたら・・・えぇ、そりゃ〜もう。
糞をしたらすぐ清掃するくらいの勢いが必要です。が、なかなか外出していたりでそういう訳にも行きませんよね?
そんなときの私のオススメとしては『ペットシート』
ペットシートを糞の届く範囲に敷き糞を吸着させるというもの。
新聞紙だと吸収しにくいので気温が上がるとガスが発生し鳥の体にも人間の鼻にもあまりよくありません。
ペットシートにいたずらする猛禽にはペットシートを敷いた上に100円均一等で売ってある金網や、荒めの人工芝を乗せるといいですよ。
もう一つの糞の問題として
糞を後方に飛ばします。
一般的にハヤブサやフクロウの仲間は糞を真下に落とすのですが
タカやワシの仲間はほとんどが後方に飛ばすのです。
体調が良ければいい程飛ばします。
糞が届くであろう範囲に防護策を施しておいてください。
猛禽の糞は固着するとなかなか落としにくいですよ。
こういった大変な面もありますがそこさえクリアすれば室内での飼育は十分可能です。
次に、屋外飼育についてお話を。
(簡易タイプの鷹小屋)
屋内飼育に比べ屋外飼育が種類によりますが適していると私は思います。
現に、屋外に鷹小屋を設置して管理している鷹匠の方は多いです。
が、もちろんこちらにもいい面・悪い面があります。
いい面として
1.清掃が楽。
飼育する鳥小屋のタイプにもよりますが
床面がセメントなど水をそのまま流せるようにしておけばかなり清掃は楽です。
水を流してブラシなどでこすり消毒をすれば完了。
ね?簡単でしょ??
下が土などでは細菌が増えたり不衛生になりがちなので出来ればセメント。せめて土に足が触れないように何らかの対策を施した方がいいでしょう。
2.通気性の確保がしやすい。
猛禽は基本寒さよりも暑さに弱い動物
冬の寒さよりも夏の暑さを気にするようにしましょう。
真夏に冷房設備が準備できるのでしたらいいかもしれませんが、簡単ではありません。
鳥小屋は通気性の確保できる形状にすることをお勧めします。
こうすることで、室内飼育に比べて熱も籠りにくく臭いもさほど気になりません。
悪い面として
1.小型種や体調不良の鳥は寒さが命取り
小型種・ウエイトを落としすぎている鳥・体調が悪い鳥等は
屋内での飼育に切り替えた方がいいでしょう。
普段屋外にいないとわかりませんが
真冬の寒さは九州地方でも予想外に寒くなったりするものです。
朝起きて、鳥を見たら死んでいた・・・なんて事も起こりえます。
鳥の体調チェクは日頃からおこなってください。
2.猛禽に危害が加わる恐れがある。
屋外で管理していると常に目が届いている訳ではないので
野生動物の侵入や他人が鳥小屋に接近することは簡単です。なかには窃盗目的で接近する不届き者も。
窃盗対策としては
(1)施錠をする。
これはもう絶対必要といっていいでしょう。
鍵をかけることで飼育小屋の扉を開けにくくし盗難までの時間をかかるようにします。
盗難まで時間がかかる・扉に鍵がかかっていることで盗難を諦める泥棒がほとんどだそうです。
(2)センサー式のライト・アラーム
夜間、動く熱源などに反応し点灯するライト・アラーム
比較的安価で導入できバッテリー式から給電式までタイプは様々。
夜間忍び込んだ泥棒は突然のライトや音に警戒するそうです。
強い刺激を発するため、神経質な猛禽には注意が必要です。
(3)防犯カメラ
夜間対応の防水タイプカメラなど最近は以前と比べ安価で導入が可能です。
が、それでも比較的高額な導入費がかかります。が、万が一盗難などが発生した場合の捜査の証拠としてなり得ます。
「防犯カメラ作動中」のステッカーも一緒に貼りましょう。
(4)セキュリティサービス
設置したセンサーなどに異変があった場合セキュリティサービスが駆けつけ、場合によっては警察に通報されるサービス。
契約など手間とお金が必要なものの信頼度は高いです。
例として4つ挙げましたが、もちろん対策は他にもあります。
全てを併用するのが一番いいのでしょうが費用の問題もあります。
おサイフと状況に最適と判断するものを選んで愛鳥を守っていただきたいと思います。
極端な小型種や一部を除き屋外飼育をお勧めしますが
環境によっては屋内が適している場合もあります。
ご自身の準備できる飼育環境を考慮して屋内・屋外どちらで飼育するか判断してください。
一番重要な事は翼を広げても当たらない広さを確保する事です。
それでは今回はここまで。
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